急性期と回復期の違い

大別すれば、もしもの時あなたが運ばれ救急処置と救命医療を受けるのが急性期病院、その後、機能訓練、体質改善など中長 期の医療計画を実施するのが回復期病院です。前者はER(救命救急センター)を持つ基幹病院、後者は専門分野に特化した病 院です。急性期においては命をつないでもらい安堵した直後、回復期への転院を迫られます。これは多くの不慮の患者に とってパニックになるほどの速さであり、院内の医療ソーシャルワーカーが病院リストを提示してきます。特定病院を推薦 せず、いくつかの聞き覚えのない病院の中から「すぐに選んでください」。
しかし「どの病院が望ましいか」、確たる裏付けを持って選択することはほぼ不可能です。予備知識を持つに越したことはあ りませんが、転院後最悪の場合「、再転院も可能」という気持ちで行動するしかなさそうです。但し、別個に主治医(ホームド クター・町医者)がいれば良いアドバイスを受けることができるでしょう。

情報入手(院内の人間関係)

長い入院生活となる回復期病院も情報が制限されるため、自分の立ち位置や治療効果がわかりにくくなり、孤独が深まると 疑心暗鬼が増してしまいます。そんな中、病棟の担当看護師から得られる種々の情報が有意義になりますので、ある意味ド クター以上に看護師との関係形成をお勧めします。院内の設備詳細、ドクターの人柄、かつて入院していた自分に近い症状 を持った患者の治癒プロセス、作業・理学療法士の院内技量評価から売店の裏メニュー、Wi-Fiの便宜に到るまで、日々徹底的 に情報を入手すれば一定の参考要素として役立ちます。また打ち解ければ関係は他部門へ広がり入院生活の有意義性が高 まりますので、何より孤立しない状況づくりが肝要です。

院内リハビリと療法士

入院患者の院内リハビリの割り当ては厚労省規定により、3時間/日と決まっています。血圧の計測数値が高ければ施術中 止となることもあります。施術はOT(理学リハビリ)PT(作業リハビリ)で構成され、嚥下障害(飲食障害・言語不明瞭等)が ある場合、ST(口腔リハビリ)がスケジュール化されます。一応、担当療法士と組みますが、昨今の働き方改革の影響で様々な タイプの療法士の施術を受けることになります。これは技量・人柄を確認する良い機会となります。また、上記3種のリハビ リの運用起案は全て病院から提示されますが、回復とともに自ら人選とスケジューリングに介入するセルフマネジメントが可能になります。
担当療法士の変更要請やスケジュール改訂は院内を多少ざわつかせますが、好き嫌いや合う合わないではない真摯な選択 は思い切って行うべきと考えます。ちなみに入院が許される期間は概ね最長5ヶ月とされていました。

傷病手当金

企業に勤務している場合、その企業の給与方針や福利厚生状況の脆弱性によって、健康保険傷病手当金(全国健康保険協会) の支給を受けることができます。入院生活が長引けば、日割り換算でそれなりの金額が積算されます。
あくまで企業の性質によるもので、全ての人に適用されるものではありませんが、事前に保険協会か会社総務に問い合わせ をしておけば、いざという時に役立ちます。

要介護認定

私の印象ではアポイントこそあれ、ある日突然役所の担当者が現れ、唐突に要支援要介護認定の面談・聞き取りが始まりま す。これは医療機関、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーが関わらない行政によるチェックです。基本、認定調査員と患 者が一対一で行うものです。中には不正やなりすましに走る人がいるのでしょう。多少懐疑的な物腰で矢継ぎ早に質問をし てきます。認定は後々の暮らしに少なからず影響を及ぼすものですが、闘病する志があれば、高ぶらずその時のありのまま の自分で相対するのが良いでしょう。